※子どもの目線&記憶のため、別の視点からだと記憶違いもあると思います。あくまでわたし個人の記憶です。
「太鼓やらんか」
まだ太鼓は練習したことないから、太鼓の横で地面や屋台を運ぶ竿を叩いた。
師匠が叩くときは必ず手が見えるところに行き、手の動きを一生懸命覚えた。
鐘は一曲叩けないけど、太鼓ならずっと叩けた。
そして師匠が叩くときに、サブで太鼓を叩かせてくれた。
獅子舞なんて見てない。
師匠の手をとにかく見ていた。
太鼓のバチは手放さなかった。
他のお道具は持たせてくれないけど、バチは持ったままでも何も言われなかった。
太鼓の表現の複雑さや面白さに完全にハマった。
太鼓は2人で叩く。
だからわたしはサブ太鼓。
メインの人の手だけを見て叩くから、誰の太鼓でも合わせられるようになった。
跳ねたリズムの人、どっしり重い人、変わるところがわかりにくい人、手が一個多い人、リズムがあってても手が間違えてる人。
鐘の曲もよくわかるようになった。
いつも同じところを間違える人、裏は叩かずに表だけ大きな音で叩く人、太鼓を無視してどんどん早くなる人、太鼓と拍がずれてしまう人。
師匠との太鼓が一番楽しかった。
完全なる正解だから安心して叩けた。
師匠が左利きだから、ミラーで覚えられた。
手は豆だらけ。
テーピングをたくさん巻いた。
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