※子どもの目線&記憶のため、別の視点からだと記憶違いもあると思います。あくまでわたし個人の記憶です。
小学生低学年の頃。
「集落の獅子舞の練習に行くとお菓子がもらえる」
そんなレベルで参加した。
練習と言っても、獅子舞の道具に触れるようになるのは中学生からなので、小学生は竹を半分に割った、青竹踏みみたいなものを、竹で作ったバチで太鼓の音を真似して叩くだけだった。
道具に触れるお兄さんたちが羨ましかったけど、男性ばかりの輪に入りにくくてそのうち行かなくなった。
小学生5年生の頃。
(確か5年生。4年生だったかもしれない)
父が「獅子に行こう」と声をかけてきた。
断る理由もないのでついて行くことにした。
久しぶりの獅子舞。
あまり見覚えないおじさんやお兄さんがたくさんいた。
小学生はわたしだけだった。
子どもの参加は減っていたのか、青竹踏みはなかった。
中でも若そうなおじさんが声をかけてくれた。
「鐘やらんか」
生まれて初めて獅子舞のお道具の本物に触ることになった。
わたしが叩ける高さに鐘を調整してくれて、隣で叩きながら教えてくれた。
何を話してるか聞こえなくなる音量。
身体の芯まで響いてくる。
雷が身体に落ちたような衝撃だった。
虜になった。
それから、早く獅子舞の練習に行きたくて、学校でもそわそわ。
遠くで鐘の音が聞こえると居ても立っても居られなくなった。
練習は19:00から。
早く行きたくて晩御飯も落ち着かない。
子どもは20:00に帰らなくてはいけない。大人は子どもが帰った後に練習する。
後ろ髪を引かれながら練習場を後にする。
もっともっと獅子舞やりたい。
秋祭り前日は最高だった。
門遣いや遍路でいろんなところでたくさん獅子舞ができる。
練習なんか比にならないくらい、たくさんできる。
最高の気分だったが、それとは裏腹に右手が限界になる。
手は豆だらけ。
テーピングでぐるぐる巻きにしても痛い。
宮尾の獅子は裏をよく使う。
手が限界になると裏打ちができなくなる。
両手どちらででも叩ける器用なお兄さんが羨ましかった。
なぜか鐘木を割る勢いで叩くのが流行っていた。
わたしは子どもだし、力がないから音が小さい。
手が痛くて一曲叩けない。
お道具も重たくて運べない。
獅子頭なんて運ぶ時でさえ触らせてもらえない。
ああ、男の子が羨ましい!男に生まれたかったぁ!!
もどかしくて羨ましくて眺めているだけだった。
そうしていると、獅子舞の一番のお師匠さんが声をかけてくれた。
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