獅子舞応援団

獅子舞活動休止のお知らせ

2017年にはじめた獅子舞広報活動を休止します。

獅子舞自体は女人禁制の昭和の終わりから関わりはじめて、ちゃんと参加しはじめたのは平成元年。
人見知りで口下手で人付き合いが苦手なわたしは、獅子舞のおかげでコミュニケーションが取れて近所の人たちとお互いに認識できる関係になれた。
獅子舞を通して気の合う人合わない人も認識できた。この感覚はやった人にはわかると思う。

だから獅子舞が故郷そのもので、とても大切で失いたくないものだったからはじめた活動なのだけど、東京ではあまりにも難しいことだった。

獅子舞は全くメジャーではない。
何より、メディアの影響で赤い顔に緑の胴体のお正月に頭を噛む唐獅子が獅子舞として認識されすぎている。
だから出演依頼のニーズと合わない。お囃子もないし、練り歩きもできない。頭も噛めない。
秋祭りで神社に奉納しているなんて全く伝わらない。

日本国内だけど、地域が違えば異文化。方言で伝わる言葉も翻訳を求められる。
多様性を認める時代だというけれどまだまだ世間は未熟で、理解できるように枠に当てはめて説明しないと眼中にも入らない。

わたしは獅子舞をプレイヤーとして続けたかったけど、そのためには知ってもらうことが必要で、知ってもらうためにはどれだけ日本の獅子舞が多様であるかを伝えなくてはならず、獅子舞全てに精通していて、獅子舞関連全てが好きで詳しい人という別のわたしのイメージが作られてしまった。因みに日本全国の獅子舞を全て制覇した人はまだ一人もいないはず。それほど多い。
獅子舞のプレイヤーと言ってもわたしは太鼓がメインなのだけど、獅子の中に入って舞う人のイメージも拭えない。
この一文も方言なら「カシラやなくて自分とこの太鼓やりたいんや」で済むけど、言葉を選んで翻訳している。

これほど多様すぎて説明の難しい文化があるだろうか?やはり「獅子舞」というカテゴリがそもそも問題だと思う。恨めしい。
どれほど難解な言葉かというと「球技」と言っているのに近い。

球技好きなんだよね
じゃあ球技やってよ
球技見つけたよ!

なんの?

少しイメージいただけたでしょうか。「獅子舞」という言葉はそれほど広い表現だということが。

球技って中国から伝わったんだよね
球技って正月のやつでしょ

どれ?
蹴鞠のことかな?

試合前の卓球部員がそんなこと言われても、「ああ、中国にも何かしらの球技はあるよね、知らんけど」ってなりません?

球技についてサッカーをイメージしながらお手玉してる人に質問してくるような。
そしてそのイメージと異なると「そんなの球技じゃない」顔になる。

これらの壮絶な食い違いに対応するために多様性を伝える一目でわかるデザインも作った。
なんとか噛み砕いて説明を続けてきた。

だけど、その度にアイデンティティが失われていく感覚になった。
補い合える仲間がいたらもう少し頑張れたかもしれないけど、東京では一緒に活動する仲間はできなかった。
都内での継承活動もウチらの獅子舞は難易度が高すぎて覚えられず、育たない。

コロナ感染症の影響で東京で獅子舞を知ってもらって香川県に興味を持ってもらうのもすっかり時代遅れになった。
オンラインとバーチャルにシフトしたほうがいい。ただ、個人の活動資金は底を尽きた。ド赤字なのにカモにしようとする人ももちろんいる。

かっこいいPVもカジュアル化したPVも作ったし、既存のデータを調べなおしてマップも作ったし。

もしまた気力がでてきたら裏方で何かやるかも知れない。
スタジオで太鼓の練習はするかも知れない。

だけど、活動は休止します。
関わってくださった皆様、ありがとうございました。

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